2022年駅メロの一年を振り返る

こんにちは。2022年もきょうでおわり。皆様にとってどんな年になったでしょうか?今回は、2022年に起こった駅メロのニュースを個人的主観によるランキング形式Top5で振り返っていこうと思います。

5位 駅メロ新規参入 岳南電車・ひたちなか海浜鉄道

2022年はいままで駅メロとは無縁だった鉄道会社に新規に導入される事案が2件ありました。

一つ目は5月に導入された岳南電車吉原駅の発車メロディです。「7000形25周年運転体験プロジェクト」を実施するにあたって行ったクラウドファンティングの「ネクストゴール」として集まった支援金を活用して実施されました。「すごいぞ!岳南電車」「岳南電車」の2曲が採用されており、駅員の裁量でいずれかの発車メロディが流されます。

二つ目は6月・7月にテレビ番組「ハマスカ放送局」とのタイアップで実現した、ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅の発車メロディです。番組MCの齋藤飛鳥さん選曲の「メロディー」(玉置浩二)を6月に、ハマ・オカモトさん編曲の「トンネル天国」(ザ・ダイナマイツ)を7月に、1カ月ごとに使用され、電子電鈴ベルだった駅に2か月間だけ彩りを添えました。

4位 東京メトロ ホーム立会を削減

駅メロディ自体の動きは全くないのですが、音鉄にとっては一つの大きなニュースと言えるのではないでしょうか?

東京メトロでは、利用者の多い駅やカーブなどで見通しの悪い駅を中心にホームで監視や扉閉合図を出す立会が多く配置されていました。そのため、音鉄にとっては無被りで録音するのが困難でした。

しかし、2月12日から突如として多くの駅で立会が廃止されました。最も大きな変化として千代田線では、代々木公園~日比谷まで全立会駅だったものが、明治神宮前<原宿>A線と国会議事堂B線のみになるなど。東京メトロとしては、ホームドアの設置とITV(ホーム監視カメラ)の設置によって安全に乗降を行うことができる駅を中心に、人手不足による人員削減と新型コロナウイルスなどによる減収の対策として立会の削減が行われました。

これにより無被りで録音できるようになった駅を中心に再録する音鉄もいました。ところで、立会がいる駅でも昔よりマイクを入れる人が減ったような気がするのですが気のせいでしょうか?

3位 新メロディを積極的に導入 JR九州

JR東日本とは対極的な動きとなったのが、JR九州ではないでしょうか?

JR九州は、今年は鉄道界においても「西九州新幹線開業」という大きな動きがありましたが、それにあわせてメロディも新規に導入されました。

西九州新幹線では、九州新幹線と違い各駅異なる発車メロディが導入されました。担当は、九州新幹線も担当した音楽館の向谷実氏で、独特の向谷サウンドが流れます。また、ビデオゲーム「ロマンシング・サガ」と連動したイベントで佐賀駅と唐津駅にゲーム楽曲が流れるようになった他、地名に合わせた駅名変更に向けて江北駅(旧 肥前山口駅)に「宝探し」が導入され、新たな駅にメロディの花を添えています。

引用:wikipedia

2位 廃止と導入 JR東日本のご当地メロディ

2022年も新たなご当地にゆかりのある発車メロディの導入がありました。主なものでは、5月の国府津駅「みかんの花咲く丘」や12月の八戸駅新幹線ホーム「八戸小唄」があげられます。どちらも式典が実施されるなど地元念願の変更が叶った瞬間でした。また、5月の国府津駅では音鉄の多い首都圏での変更もあってか、変更3日で100人の音鉄が収録に訪れるなど、音鉄人口の拡大も垣間見えた一面も。

一方で、高校生の署名活動から始まった我孫子駅「河童音頭」「あびこ市民の歌」や、地元サッカーチーム「柏レイソル」の応援歌だった柏駅「突き進め柏(さらば青春のパンク)」「チュニジア」は使用契約が延長はされず廃止されてしまったものもあり、JR東日本の中でも明暗が分かれる出来事となりました。

1位 JR東日本、ワンマン化に伴う駅メロ取扱い廃止

2022年で一番大きな変革だったと言えるのが、やはりJR東日本のダイヤ改正に合わせワンマン化による、八高・川越線、宇都宮線(宇都宮~黒磯)、日光線、相模線の駅メロ取扱いが廃止されたことではないでしょうか。

2021年のダイヤ改正では、内房線(木更津~安房鴨川)、外房線(上総一ノ宮~安房鴨川)、鹿島線(佐原~鹿島神宮)がワンマン化による取扱いの大半が停止(現在でも特急や長編成での車掌常務列車では取扱いあり)がありましたが、駅メロ導入駅が限られていたこと、現在でも少ないながら取り扱いがある完全廃止ではないことから、インパクトは少し小さかったものでしたが、2022年の線区は全駅に駅メロ設備があり、ほぼ完全廃止といってもいいもので、大変大きな変革が行われました。

完全廃止ということもあってかダイヤ改正の直前には、録り納めをしようとたくさんの音鉄が収録に訪れる風景が見られました。あまりの多さに、車掌ならびに運転手もかなりご配慮をして頂けたようで、2022年に入ったあたりから時間があればかなりの確率で複数コーラスがなる異常状態や、廃止まで数日を残して矢板・氏家・宝積寺の突然の発車メロディ変更などの混乱も見られました。

また、上記のダイヤ改正に連動はしていないものの、ワンマン化訓練の準備として青梅線(宮ノ平~白丸)で駅側のメロディの取り扱い停止が先行して行われるなどの動きもありました。

そんな線区では12月の時点で、すでに一部の駅では発車ベルスイッチの撤去等、ワンマン化で不要になった設備の撤去が開始されています。そのため、臨時列車等で車掌が乗務した場合でも今後取り扱うことができなくなっています。今後もJR東日本の言う「駅設備のスマート化」が進行しそうです。

総括

これまで、ランキングTop5を扱ってきましたが、それ以外にも以下のものがありました。

・横浜高速鉄道みなとみらい駅イベントメロディ導入「金色のコルダ スターライトオーケストラ」「横浜音祭り2022」

・東武日光駅に信号開通メロディの導入

・JR新白河駅7番線にメロディ導入

・毎年恒例(春・夏)の甲子園駅接近メロディの変更 YOASOBI「群青」・平井大「栄光の扉」

・東武東上線ふじみ野駅・鶴瀬駅・みずほ台駅に「ももいろクローバー」発車メロディ導入

・イベントに伴うJR北朝霞駅・JR蓮田駅に期間限定発車メロディの変更

・津山駅の接近メロディにB’z 「Easy Come、 Easy Go!」が期間限定で導入

・西武狭山線発車メロディを新調「吠えろライオンズ」「若き獅子たち」「地平を駆ける獅子を見た」

・伊賀鉄道上野市駅新発車メロディ導入

・東急目黒線・都営三田線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線の乗降促進メロディの変更

2022年は、JR東日本では縮小した傾向が見られたものの、ひたちなか海浜鉄道や岳南電車など駅メロとは無縁だった鉄道会社が新規に導入したりと拡大する動きも見られました。2023年はどんな年になるでしょうか?これからも駅メロ業界を注視していきたいと思います。